聖隷三方原病院 高度救命救急センター    ドクターヘリのブログ

静岡県西部地区でドクターヘリを運営している 聖隷三方原病院 高度救命救急センターのブログです.

今日から5月

救命救急センター 救急科 志賀です。1日遅れの更新です。

4月30日のドクターヘリ医療スタッフは、志賀・長谷川Ns(OJT)・大瀧Nsです。

4月末日の東海地域は強い雨。計3件の要請を頂きましたが、天候不良でドクターヘリは終日運休のため、不応需となりました。

しかし、うち2件は「ヘリが無理ならカーを出して欲しい」と、消防側が即答でドクターカー要請に切り替え。更にこの2件も結果的にドクターカー重複要請となり、最終的に1件にドクターカー対応となりました。

平日日中は当院の救急車で出動します。救急事務の花元さんが運転、山口さんがナビと通信を担当。出動救急隊と互いの位置や患者さんの状況について適宜連絡を取りつつ、市内の山間地に向かいます。

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本件では非常に早い段階で要請を頂いたため、患者さんのご自宅のかなり近くで合流することが出来ました。患者さんの全身状態の安定化を図りつつ、適宜医療情報も連絡しつつ、患者さんのかかりつけ医療機関に陸路搬送を行いました。

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計2時間近くに渡る長いミッションとなりました。車内での医療的な対応はOJT終盤の長谷川さんと志賀で行い、大瀧さんがこまめなサポート。ドクターカー出動とドクターヘリ出動は、出動方法だけでなく連絡や資器材等にも細かな違いがあります。帰投後は、長谷川さんの今後の一人立ちに向けて密な振り返り。

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救急事務の花元さんは5月から他部署に異動となるため、救急事務としては最後のドクターカー出動となりました。長年に渡って、救急救急センターの事務面を強力に支えて頂きました。ドクターヘリ・ドクターカー・DMAT等の活動でもご尽力頂きました。本当にありがとうございました。次部署でも更なるご活躍を祈念します。

平成25年度のドクターカー実績

救命救急センター 救急科 志賀です。

新年度が始まりました。4月1日の夜勤も翌日の午前二時を回り、準夜→深夜に入った矢先にドクターカー出動要請のホットライン。市内北遠で発生した三次事案です。

現場から直近救命救急センターである当院までの搬送時間は、片道80~90分を要する見込みです。深夜帯かつ年度始めで人員もやや少な目なため、出動は志賀と2年目研修医の鈴木先生のツードクターとし、ERには鈴田NSを軸に残りの当直スタッフが留守を固める方針とします。最寄りの消防署からの救急車によるピックアップ方式で現場に向かいます。

本件では出動した救急隊から物凄く早い段階でドクターカー要請を頂いたため、合流場所も現場にグッと近い路上となりました。合流後は患者さんの全身状態の安定化を図りつつ、約60分かけて当院まで搬送を行いました。

さて中谷先生に続き、平成25年度のドクターカー実績のご報告です。出動件数は77件でした。これは前年度の約二倍となります。

その一方で、救急搬送の総件数は微増といったところです。つまり、「具合の悪い患者さんの数が増えた」のではなく、「具合の悪い患者さんの搬送方法に変化が見られる」と解釈することが出来ます。

以前は、ドクターヘリが荒天や機体不調等で出動出来ない場合の補填的な意味合いで、ドクターカー対応するケースが主でした。

昨今は、本件のような夜間のドクターカー要請が徐々に増えています。

「ドクターヘリを要請したいが、夜間だから出来ないので、救急隊のみで搬送しよう」

→「ドクターヘリを要請したいが、夜間だからドクターカーを要請しよう」

救急隊によるこのような判断が、少しずつ増えているのだと感じます。

以前からご紹介しているように、日中と違って夜間は出動要員としてのスタッフを確保している訳ではありません。その場のスタッフから人手を割いての出動となるため、状況によってはどうしても対応が難しい場合もあります。更に、出動範囲は市内に限られます。

そんな中でも救急隊が、具合の悪い患者さんの搬送に際して行う「病院搬入前に医師と合流した方が良い」「医師同乗の搬送が必要」という判断は、極力大切にしたいと考えています。









夜間の出動要請

救命救急センター 救急科 志賀です。

日中は救急外来は比較的落ち着いており、ドクターヘリ出動要請も無し。

夕方からは救急当番日のため、市内各区からの救急車及びwalk in受診の患者さんが数多く受診され、救急外来は一気に立て込みます。メンバー総出で診療に当たります。

22時を迎え、夜勤後半の中谷先生に引き継ぎ。入院患者さんの状態を確認してから帰ろうとICUに足を運んだ矢先に、中谷先生から院内PHSで連絡あり。「出動要請です、ドクターカーで出れますか?」3階のICUから1階の救急外来に走って戻り、情報収集と出動準備を大急ぎで進めます。

夜間のため、近隣の消防署から医師搬送目的で出動して頂いた救急車でのピックアップ形式。メンバーは、志賀と準夜ナースの佐奈さん。事案は乳児の内因性疾患です。体重で蘇生薬の容量をあらかじめ計算し、合流後直ちに投与できるように備えます。

幸いにも合流時は徐々に状態改善あり、車内活動としては搬送と医療情報の伝達を優先。受け入れ準備を終えて救急外来に待機して頂いていた小児科の先生に引き継ぎました。

救急隊現着時の様子をよく聞くと、状態はかなり不安定で悪化もあり得る状況でした。出動救急隊による的確なドクターカー要請と思います。

本件のように「現場に医療が必要」という事案は昼夜問わず発生し得ます。ドクターヘリは日中のみの対応となるため、夜間はドクターカー対応となります。夜間は人員が限られており毎回必ずという訳には行きませんが、要請には出来るだけお応えするようにしています。

*写真の赤は小児バッグ(小児救急資器材)です。日中のドクターヘリスタンバイ中は機内に。夕方スタンバイ終了したら救急外来に移動し、夜間の小児事案に対するドクターカー出動に備えています。



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重複要請への対応:空路か陸路か

救命救急センター 救急科 志賀です。

本日は3連休の初日。ドクターヘリ医療スタッフは、中谷先生・山田さん・冨永先生(OJT)です。

ドクターヘリ要請は2件です。

1件目の県中部からの要請に対してドクターヘリが出動中に、2件目の要請が入ります。市内、基地病院の比較的近隣で発生した高エネルギー外傷事案に対する、救急隊現着前の出動要請です。

当院では、ドクターヘリホットラインはCSが対応します。しかし本件は重複かつ市内からの要請であり、その対応にはドクターヘリ以外の複数の選択肢も考えられます。CSから「先生、代わりますか?」とER勤務である自分がホットラインを譲り受け、消防指令センターと極短い時間で調整します。

この時点で、選択肢としては順不同で以下が考えられます。

①ドクターヘリ
②浜松市消防ヘリ
③ドクターカー
④救急隊のみ(直送)

搬送先は直近の救命救急センターである当院が想定されます。地図を見て、時間経過をイメージして、短い時間で選択肢を吟味します。

①は、前事案終了後に連続対応とした場合、予想される時間経過から間に合いません。

②は、消防ヘリが航空隊基地を離陸後に当院屋上で医師1名をピックアップして、現場に向かう形式です。しかし消防ヘリはその特性上、ドクターヘリよりやや大型な機体です。その分市街地では着陸適地が限られることから、医療スタッフの現場投入に却って時間を要してしまう可能性も考えられます。

③と④を比較すると、本件では③で、最も早期に医療スタッフが患者さんに接触出来ると判断。ここまでを短い時間で協議し、この方針となりました。

並行してドクターカー出動スタッフを選定。今月から救急科ローテートを開始した山内先生、ベテランフライトナースでER勤務の佐奈さん、更に病院実習中の救急救命士・茂木さんの3名を選定。程なく最寄りの消防署から出動して頂いた救急車に乗って、現場に向かいます。

本件では消防機関からの出動要請が非常に早期であったことから、出動救急隊と医療スタッフは現場と基地病院の丁度中間地点で合流。3名がそれぞれ患者さん評価・医療処置・病院連絡と手分けして進めつつ、速やかに基地病院に搬送を行ないました。

このようにドクターヘリの重複要請に対しては、市内であれば消防ヘリあるいはドクターカー等、その時の最良と思われる手段を選択し対応しています。

また救急救命士の茂木さんは、普段と反対の立場での出動となりました。医療スタッフが現場で何を考え、どんな医療処置を行い、どういう医療情報を欲しているのか。現場で医療スタッフの立場を経験できたのは、非常に貴重な機会であったと思います。実習を終えて所属に戻られた後、ドクターヘリやドクターカーを要請した際に、今回の経験を是非活かして頂きたいです。




初出動

救命救急センター 救急科 志賀です。

2013年の大晦日は準夜後半からの夜勤入り、病院での年越しです。

謹んで新年のお喜びを申し上げます。

旧年中は大変お世話になりありがとうございました。院内各関係部署、近隣医療機関、管内消防機関、運航会社、行政機関、その他関係される全ての方々に改めてお礼申し上げます。

2014年初めてのホットラインは、消防指令センターからのドクターカー出動要請。内容は「高エネルギー外傷かつ救出事案」。即諾し出動準備を進めます。スタッフは齋藤先生(ヘリOJT)、有賀さん(フライトNS)、近藤さん(ER-NS)の3名を選定。最寄りの消防署から医師搬送用に出動して頂いた救急車へのピックアップ方式で、救急現場に向かいます。

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出動救急隊が患者さんの救出を終了し、救急車内に収容したタイミングでドクターカーも現着、医療スタッフが合流します。出動した3名が役割を分担して現場診療を行ない、医療情報を随時報告しながら患者さんを基地病院へ搬送します。

ERでは、事前情報を元に全ての準備を整えて、マンパワーを集めて患者さんを受け入れます。

夜間のドクターカー出動は、自院の車両ではなく近隣の消防署の救急車によるピックアップ形式となるため、要請から出動までやや時間を要します。その分、一層早期の要請が、早期の合流に繋がります。

本事案でのドクターカー要請は、消防覚知2分後。つまり、救急隊が出動指令を受けた際にそのままオウム返しで医師出動要請を依頼する、覚知要請です。本件のドクターカー要請の判断とタイミングは、非常に素晴らしいと思います。

出動救急隊からは、「事後検証会での事例提示を参考にして、指令を受けて直ぐに要請しました」との振り返りコメントも頂きました。検証会等での事例共有の重要さも、改めて痛感します。

本日は元旦。年末年始体制も後半に入ります。

屋上ヘリポートからの2014年初日の出(有賀さん撮影)。

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ドクターヘリは通常通りにスタンバイを開始します。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
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