聖隷三方原病院 高度救命救急センター    ドクターヘリのブログ

静岡県西部地区でドクターヘリを運営している 聖隷三方原病院 高度救命救急センターのブログです.

合流地点の決定

救命救急センター 救急科 志賀です。

本日のドクターヘリ医療スタッフは、志賀・松田先生(2年目研修医/OJT)・ベテラン宍戸NSです。

要請は2件。いづれも市内山間地で発生した内因性疾患に対して出動し、ヘリ搬送により救命救急センターに早期搬入を行ないました。

山間地におけるドクターヘリの活用として、「陸路搬送では時間がかかるので、ヘリを要請して搬送時間を短縮する」ことはよくあります。

これを実現するための前提条件として、より早いタイミングで、尚且つ安全確実に、「救急隊とドクターヘリとが合流」する必要があります。そのためには、ドクターヘリの離発着場の選定は非常に重要です。

浜松市内からの出動要請の場合、離陸から非常に早いタイミングで現場上空に達します。特に救急隊が現場到着前にドクターヘリを要請した場合、そのタイミングは更に早まります。よって短い時間で離着陸場も決める必要が生じます。

現場が市街地であれば離着陸場の選択枝は広がりますが、逆に山間地であれば現場直近への着陸は困難なことが殆どで、離着陸場は非常に限られます。

事案【1】では、ドクターヘリが消防指令センターの指示のある現場上空に到達した時点で、救急車は山林の中を走行中であり、互いを目視することが困難でした。更に現場直近にも着陸適地はありません。ドクターヘリと救急隊は互いの消防無線で交信し、現場からやや距離があるものの場所が分かり易く、かつ広くて安全に活動できる、最寄りのグランドを選択。ドクターヘリはこちらに着陸し救急隊と合流しました。

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事案【2】では、出動後間もなくCSと消防指令センターが固定電話で連絡を取り合い、現場最寄りの駐車場のヘリポートを消防側が指定。事前に合流地点が決定したため活動全体がシンプルになり、更に活動時間を削ることにも繋がりました。

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離着陸場の選択は、ドクターヘリの円滑な活動を行なうための基礎となり非常に重要です。消防指令センター、出動救急隊、CS、ドクターヘリの全てが密な連携を取り、方針を共有しています。

安全確認

救命救急センター 救急科 志賀です。
 
本日のドクターヘリ医療スタッフは、志賀・有賀NSです。
 
出動要請は2件です。
 
【1】市内北遠地域から当院までの施設間搬送
本日の東海地域は発達した前線の接近に伴い、天候状況の変動が特に大きい1日です。
 
要請時刻は早朝のスタンバイ開始前、丁度その時刻は、紹介元医療機関及び当院上空に徐々に雨雲の接近も予想される状況です。まずは大まかな時間経過を概算し、その上で往路と復路の双方の予想される天候状況をCS・機長さん・整備士さんとで二重三重に確認した後に出動します。出動中も天候の変動に常に最大限留意します。更に機内全員で事前に活動方針(合流後は直ちにヘリに移乗し、機内で医療的な対応を行なうことによって現場滞在時間を削る)を共有します。好天時と同じように「普段通りの早期合流→早期搬送→早期根治治療」へ安全に繋げるために、このような工夫を行いました。

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【2】市内市街地で発生した外因事案
 
競技中に発生した事案です。市内のため離陸後数分で現場上空に到達します。場外離着陸場として何処を選択するか、機内の4名全員で上空から目視で検索し、短い時間で検討します。
 
競技中のグランドそのものを選択すれば、着陸後は確かに傷病者に最短の時間で接触出来る見込みとなりますが、競技を中断し参加者全員を安全な位置に誘導する間はドクターヘリは上空旋回待機となります。着陸→合流までに却って時間を要してしまう恐れが生じます。

逆に現場から200m程先にある空き地は、充分な広さがあり更に柵があって人が入ることが難しく、無人です。競技に影響を与えることもありません。本事案ではこちらを選択し、上空から消防無線で救急車を誘導。現場そのものを避けることでより確実に安全確認を行い、更に着陸→合流までの時間を削ることも出来たと思います。

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天候状況や着陸地点の確認。様々な状況のなかで普段通りにドクターヘリの活動を安全に行うためには、運航スタッフ・医療スタッフ・そして消防スタッフ全員が、普段に増して同じ方向を向いて連携することが大切と感じました。

第159回 静岡県西部ドクターヘリ事後検証会を開催しました

救命救急センター 救急科 志賀です。

本日、第159回静岡県西部ドクターヘリ事後検証会を開催しました。

まず、7月の全事例(ドクターヘリ53件+ドクターカー11件)の簡潔な振り返りを行いました。

次に、事例検討では「複数のヘリコプターが関わった水難救助事案」が取り上げられました。

市消防ヘリ・県防災ヘリ・県警ヘリ・ドクターヘリの計4機が出動。傷病者は2名、双方とも県警ヘリにて順にホイスト救助。その後傷病者(A)はドクターヘリで、傷病者(B)は救急車で、それぞれ医療機関に搬送となったものです。

救急隊→消防航空隊→ドクターヘリ出動医師(松浦先生)の順に発表を行いました。

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災害現場に複数のヘリが同時出動した場合、更に報道機が飛来することもあり、空の安全管理及びヘリの運用体制の確立が重要となります。

その際の消防・警察・医療という複数機関の間のコミュニケーションに関して、報道機・統制機・活動機というように役割や飛行高度を分けたり、航空波や消防波などの無線を介して交信して離着陸や活動方針に関して情報共有する、等といった点についてディスカッションが行われました。

更に今回は救助を行った県警ヘリ→ドクターヘリに傷病者が引き継がれましたが、消防・防災ヘリが救助を行った場合には、状況に応じて消防・防災ヘリがそのまま医療機関へ傷病者を搬送することも考えてよい(その方がヘリの場外離着陸も含めて活動がシンプルになり、医療機関への搬入が早まる場合もある)、との示唆もありました。

本事案を共有して、消防・警察・医療の横の連携を大切にし、救助と搬送をスムーズに行えるように心がけていきます。

参加された皆様お疲れ様でした、そしてありがとうございました。

本日も・・・

みなさんこんばんは!
本日(8/14)の担当は松浦せんせいとわたくしフライトナースのすずきでした。

本日も・・・ その①
研修で学生さんが1日ER見学に来ていただきました!
朝一は天候が悪く運休でしたが、毎日のわれわれの日課であるドクターヘリの資器材点検に一緒に参加していただきました。あいにくの雨模様でしたが、整備さんが傘をやさしく差し出してくれました♡

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傘のしたで学生さんと!

本日も・・・ その②
3件の要請をいただきました。が、午前中は雲が低いため、ドクターヘリでは対応できず、市内の事案はドクターカーで対応させていただきました。救急隊の素早い要請判断で早期に患者さんと接触でき治療を開始できたため、病院へ搬入時には症状は改善に向かっていました。
2件目は中東遠山間部での事案でしたが、あいにく雨雲がかかっており、不対応となりました。

本日も・・・ その③
本日の三件目は、昨日に引き続き愛知県ドクターヘリの応援にて愛知県の東部に出動しました。山間部には低い雲が残っていることが予測されたため、安全にいけるところまで行ってみる形で出動。はやり、雲が多く、現場までは到達できませんでした。そこで、消防と調整を図りつつ、現場まで陸路で20分ほどのところで一旦ヘリは降り、消防車両で救急車と合流する形をとることができました。現場から搬送先病院までは緊急走行でも1時間以上かかる場所でしたが、救急車が現場を出発して15分から20分程度で初期治療を開始することが出来ました。これも早期にドクターヘリ要請をしていただいた消防の方々、早期に応援要請をしていただいた愛知ドクターヘリ、合流の調整をしていただいたCS(CS:コミュニケーションスペシャリストと呼ばれる基地病院で運航調整をしてくださる中日本航空のかた)、ドクターヘリの着陸ポイントから救急車まで我々を搬送してくださった消防隊の方々やドクターヘリへの乗せ換えには消防署の方々にも手伝っていただきました。
この事案では、一人一人がお互いの動きを把握しイメージできたことが天候が悪い中でもドクターヘリをうまく活用することにつながったと思います。そして、患者さんを受け入れてくださった医療機関さんも本当にありがとうございました。
感謝の気持ちも込めまして上空から失礼します!
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上空からではありますが 『みなさんありがとうございました!』

愛知ドクターヘリとの協力

みなさん、こんばんは。
今日のブログ担当も中谷です。
今日のドクターヘリ担当は私と、OJT松田Dr.、期待の新人長谷川Ns.です。

今日のヘリ要請は5件。
ここ最近、台風や悪天候でずっと要請に対応出来ず、ゼロ行進が続いていたので、
ようやくいつもの活動が出来るようになり、ほっとしています。

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            今日の東名高速はお盆の帰省で大渋滞でした。

今日は浜松市近郊の愛知県側で外傷事案があり、
愛知ドクターヘリが出動しました。
地理的な要因もあり、当院へ患者さんの搬入となりまして、
当院へリポートに愛知ドクターヘリが飛来されました。

その間に、愛知県内で転院搬送の事案が発生しましたが、
愛知ドクターヘリが当院への搬送のミッション途上であったたため、
静岡県西部ドクターヘリが代わりに愛知県側の転院搬送ミッションを受け持たせてもらいました。

このように地理的に近い環境にある当院ドクターヘリと、愛知ドクターヘリは状況により、
お互いに協力して運航しています。

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                  今日の現場活動の一こま。

愛知県、静岡県西部、静岡県東部とお互いに協力して、
より広範囲の患者さんに効率よく救急処置が行えるように日々努力しています。

ありがたい御礼。

皆さんこんばんは。
今日のブログ担当も中谷です。

今日は日本全国台風の影響で雨や風が強いようです。
ここ浜松は比較的穏やかな天候で、日中は雨も降っていませんでしたが、やや風は強い状況でした。
ドクターヘリは台風からの避難のため、昨日夕から名古屋空港の格納庫へ避難しており、
今日は一日中ドクターヘリは運休となりました。

今日は嬉しかった報告を一つ。
先日某所で活動し治療した子供さんが元気に退院され当院に再診に来られたのですが、
その際に救急外来に寄ってきて頂いたらしく、
御礼のお言葉を頂きました。

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御礼を言われるために頑張っているわけではありませんが、
やはり嬉しいものです。
この場を借りてこちらこそ御礼を申し上げます。
これからも頑張るので、ドクターヘリの応援よろしくね!!

松田先生の初フライト。

こんばんは。
中谷です。
実は1週間ほど夏休みを頂いており、九州方面へ帰省しておりました。
九州も浜松同様暑いのは暑いのですが、暑さが違って、かなり蒸し暑い!!
浜松に帰ってきて、暑さがかなり健やかに感じました。
そんなこんなで、リフレッシュしてきましたので、今日から気分一新また頑張っていきます。

今日は仕事復帰初日からフライト担当させて頂きました。
OJTは3日連続で研修医松田先生、ナースはベテラン佐奈さんです。
今日は学生さんの見学実習もあり、ヘリの器材チェックと、実際の出動も見学して頂けました。

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        松田先生と学生さん。来年一緒に働けると良いですね<(_ _)>

今日の出動は3件。うち1件は時間外のためドクターカーでの出動となりました。
ヘリ出動2件はいずれも松田先生も同乗です。
内因、外因、いずれも中等症以上で、それなりに考えさせられる事もあり、良い勉強になったと思います。
いずれの患者さんも地域的な要因で豊橋市民病院さんへ搬送させて頂きました。
2件たて続けに搬入して頂いた豊橋市民病院さん。大変ありがとうございました<(_ _)>

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                出動帰りに安堵の表情の松田先生。

当院では希望者は2年目研修医でドクターヘリの同乗実習を行なっています。
なかなか乗る機会のないドクターヘリですから、当院の研修医達も希望してくれる先生達が多いです。
来年からの研修先を迷っている全国の医学生の皆さん。
ぜひ当院へ見学にいらして、我々と一緒にドクターヘリを持つ三次救命救急センターで研修してみませんか?
上の写真のような、笑顔の素敵なな先輩達が、あなた達を待っています(^o^)

松田先生OJT開始しました

救命救急センター 救急科 志賀です。

8月6日より、Bell429の整備点検のためEC135に機体入れ替えしてスタンバイをしています。

ユーロコプター式EC135P2+型機 JA125D、中日本航空のドクターヘリとして最も新しい機体です。従来三方原に来ていたJA112D・113D・115D等と比べると、ドクターヘリとしての基本は全て同じですが、機内内装等に細かな差異もあります。

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本日のドクターヘリ医療スタッフは、志賀・松田先生(2年目研修医/OJT)・長谷川NSです。松田先生は8月から救急ローテーション開始、昨日に続き2日目のOJTとなります。

出動要請は1件。救急隊との合流場所が基地病院近隣と想定されたため、ドクターヘリではなくドクターカー要請。ちょうど別の患者さんをERに搬送して来ていた救急車にピックアップの形式で出動し、対応しました。

松田先生に取っては初めての現場出場となります。ドクターヘリもドクターカーも、病院前医療という点では共通しています。今日は共に患者さんの所見を取ったり情報収集しながら、一緒に評価と搬送を行いました。2ヶ月間の救急科ローテートの間に、より積極的に経験を積んで頂きたいです。

第158回 静岡県西部ドクターヘリ事後検証会を開催しました。

救命救急センター 救急科 志賀です。

今日から8月に入ります。7月は、静岡県西部ドクターヘリは計60件の出動要請を頂きました。そのうち台風による運休等も含めて7件は不応需、53件に出動しました。

昨日7月31日は、当院において第158回静岡県西部ドクターヘリ事後検証会を開催しました。

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まず、6月のドクターヘリ出動49例・消防ヘリ出動1例・ドクターカー出動3例の全事例検証を、1事例1トピックの形で行いました。

次に、そのうち特記すべき2例を取り上げて、詳細な検討を行いました。

【1】浜松市内の市街地で発生した重症外傷傷病者に対して、ドクターヘリが有効に活用された事例でした。活動がスムーズに進んだ要因として、救急隊は出動途上に迅速にドクターヘリを要請。消防指令センターが事前に収用先医療機関を手配。ドクターヘリはこれに沿う形で現場対応と直近救命救急センターへの搬送を行い、早期の確定診断→早期の根治治療・集中治療に繋げることが出来ました。

【2】熱海市内の多重衝突事故により多数傷病者事案が発生。東西2機のドクターヘリが連携して対応した事例でした。出動救急隊はまず東部ドクターヘリを要請。東部ドクターヘリは多数傷病者に対して医療スタッフを増員して出動すると共に迅速に西部ドクターヘリにも応援要請。西部ドクターヘリは飛行時間が長くなるため燃料を給油し追加してから出動。現場では先着の東部ドクターヘリが全体を指揮。西部ドクターヘリ到着時には複数傷病者への必要な現場対応及び収用先医療機関の手配も済ませていました。2機のドクターヘリで、2名の傷病者をそれぞれ分散搬送しました。東西ドクターヘリ間の情報共有、搬送先の選定、傷病者の引き継ぎなどが非常にスムーズに進んだ事例でした。

本日より静岡県東部・神奈川県・山梨県ドクターヘリの広域連携の協定が開始されます。互いの重複要請や多数傷病者事案への対応などに際して、複数のドクターヘリの連携は今後益々重要となります。

尚、先日のドクターヘリシミュレーションでは、「西部ドクターヘリが東部ドクターヘリを応援要請して・・・」という本件の逆の想定で訓練を行いました。

訓練や事後検証といった機会にお互いの顔の見える関係が築かれ、そして実際の現場では互いの連携がスムーズに進めば、と思います。

参加された皆様、特に遠いところ浜松までお越し頂いた熱海消防・順天堂大学静岡病院のフライトスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

今後とも益々宜しくお願い申し上げます。

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